ネオンのせいで眠れない
当ブログの管理をぬぼーっとやってるLeeyです。
メンタルクリニックに通いつつ町の片隅で息を吸うようにキンキ尊いとかSMAPのわちゃわちゃが見たいとかほざいてます。昔はこのラインナップに嵐もいたんですけど、気がつくとお茶の間になってました。デジタリアン以降はアルバムもシングルも買ってません。なんでこうなった。ちなみに櫻井翔はジャニーズで初めて好きになった人です。
好きな曲はBonnie Butterfly。たぶん一生好きな曲です。ブログ名も歌詞の一節から勝手にいただきました。
好きな歌手はキンキ。二番手にSMAP。どう考えたってこの二組は尊い。嵐は気がついたら消えてました。ドラマをやってたら見るし、暇つぶしに彼らの動画を見るし、Mステで曲を披露するなら見るけど曲を買うほどの情熱は消えた。いつの間にか。結果、生まれた時からキンキが好き。生まれた時からキンキ。SMAPは完全に家族の影響だからなんとも言えない。生まれる前からSMAPが好きになる宿命。
悩みは不眠。眠れない。だから睡眠薬先輩をガバ飲み。あとお金が足りない。でも働かなきゃ金が貰えないから働くだけ。生活費を削ってキンキに捧げてる。はよSMAPにも捧げたいんだが許してくれないジャニーズサイド。キンキがいなかったらさよならしてるぜ。
時々2.5次元って呼ばれてる俳優さんたちが出てる舞台を見に行く。だけどいわゆる茶の間だから大した金は落とさない。全通もしないし、DVD買ってグッズ買ってそれで終了。最近見たのは一月に植田圭輔くんが主演したしゃばけ。昔はNEWSの手越がやってたなーって思いつつ見に行った。そこそこ良かった。ただ時々眠くなったのが悔やまれる。だけどクリエが作った舞台が妙に好きなんだよな。なぜだ。
好きな映画はグリーンマイル。ぼろっぼろ泣いた。
好きな俳優は植田圭輔。最近は植田くんが出てる舞台をよく見てるなー…好きなのか、レベルの無自覚だからよく分からないけど堂本剛の繊細な演技なら大好物だって私知ってる。
好きなドラマはぼくらの勇気未満都市。ユーリがくそかっけえ。ヤマトよりもタケルよりもユーリ推し。あのときは宝生舞が好きだった。
こんなものでしょうか。好きなものを羅列しただけ。
今日もキンキが尊い。お仕事行ってきます。
母性と同担拒否
ハケンアニメ面白いですね!!!! いま感想を書きなぐってるんですがめちゃくちゃ面白い。辻村深月最高だぜ。
で、話は変わりましてこの間友達の遥ちゃんとファミレスでお茶した時に話したことをまとめてみました。 でもところどころ創作入ってると思う。三分の二はフィクションだと思う。
私(Leey): KinKi KidsとSMAPを愛してるだけのオタク。友人に教えてもらった戦国鍋のおかげで若手俳優さんたちの顔と名前が一致する程度のクソ茶の間。クソにもほどがある茶の間。ちなみに好きな俳優さんは植田圭輔。だけどクソ茶の間。
遥ちゃん(仮名): 染谷俊之くんのガチオタ。ホストちゃんの時は泣いて金を積みまくってた。ホストちゃん怖い。
リアコかもしれない
遥ちゃん「この間剣豪将軍見たけど、やっぱり染ちゃんかわいい。めっちゃかわいい。愛玩動物にしたい」
Leey「ペットって言おう?せめてわんちゃんにして飼いたいとか言おう?」
遥ちゃん「わんわんおにして飼いたい。かわいい。でもリアコじゃない」
Leey「え、誰かリアコいたの?」
遥ちゃん「……廣瀬大介」
Leey 「え、薄ミュ見てたっけ?テニミュ見てたっけ?いつのまに廣瀬くんのことをそんなに好きになってたの」
遥ちゃん 「実は薄ミュを見てた。めっちゃ見てた。沖田編めっちゃ見た。気がついたらリアコになってるんだけど廣瀬大介恐ろしくね?」
Leey 「待って遥ちゃんの推しは誰だっけ?」
遥ちゃん 「染谷俊之」
Leey 「リアコ枠は?」
遥ちゃん 「廣瀬大介」
Leey 「一致してなくないですか」
遥ちゃん 「いや、推しとリアコ枠は必ず一致するものじゃないと思うんだよね。染ちゃんに対してはさっきも言ったけど、孫にしたいとかいいこいいこって無条件に可愛がりたいの。だけど、廣瀬くんに対しては…もう好き」
Leey 「染谷くんとは何がしたくて廣瀬くんとは何がしたいの」
遥ちゃん 「染ちゃんにはお小遣いあげたい。いいこねって褒めたい。廣瀬くんは…独占したい」
Leey 「染谷くんに対しては遥ちゃん完全におばあちゃんじゃないか。で、独占したい?とは?」
遥ちゃん「舞台とかアニメで活躍しててほしいし、声優さんになるって夢を叶えてる途中なんだから頑張ってほしいけど彼女にはなりたくないし、認知はしてほしいけど出待ちしたら仕事終わりで疲れてるであろう廣瀬くんに迷惑だろうから絶対にしたくないし、常識で考えてそんなの迷惑の極みだろうし。でも、そうしたらファンイベめっちゃ行きたいし、でも同じように廣瀬くんのことが好きなんだな…って思う人にはこう、嫌悪感が先にいく。私の廣瀬くんなのにって。いや、私の廣瀬くんではないんだけど」
Leey 「それさ、リアコじゃなくて同担拒否じゃない?」
遥ちゃん 「あ、それだ」
Leey 「気づけよ」
推しに抱く母性
Leey 「取り敢えず染谷くんに対してはどうなの、同担拒否ってる?」
遥ちゃん 「同担拒否ってない。むしろみんなで染谷俊之を養いたい。ムーミングッズを差し出したい」
Leey 「大げさに言うと、染谷俊之を養おうの会があったら入る感じ?」
遥ちゃん「細かく言うとまた違うけど、そんな感じ」
Leey 「細かくとは?」
遥ちゃん 「そんな会にはまず入らないけどなんとなく集団行動で養いたい。染ちゃんかわいいもん。かわいい、ってそれだけの理由で無条件にお金を差し出したい」
Leey 「新興宗教かよ。染谷くんは神様かよ」
遥ちゃん 「神様ではないけど、私の生活の支えにはなってる。染ちゃんの舞台を観にいくんだっていう原動力があるから働いてるの」
Leey 「わかるー、めっちゃわかる。私キンキ好きなんだけど」
遥ちゃん 「知ってる」
Leey 「話が早い。例年キンキって冬にしかコンサート開かないから冬のキンキのコンサートのために働いてるんだけど、今年20周年だから夏も活動してて支出やばいけどキンキのために金を使える夏っていうのはもうしばらくやってこないと思うから喜びに震えてる」
遥ちゃん 「Leeyちゃんも大概病気だね」
Leey 「オタクってそんなもんじゃない?」
遥ちゃん 「それな」
Leey 「そんなこと言ったら全国のファンの方々に怒られそうだからこれくらいでやめておこう。あとめっちゃ話が長引きそう。で、染谷くんに対して抱いてる感情を一言で表すなら母性だよね」
遥ちゃん 「そうなのかな…同僚に写真見せて染ちゃんは可愛いでしょうって宣伝してるくらいだよ」
Leey 「それは孫が生まれたおばあちゃんが写真片手にうちの孫は可愛いでしょうって言ってるのと同レベルに感じるんだけど。母性じゃなくて祖母性だな。あと同僚さんが困っちゃうからやめておこう」
遥ちゃん 「わかった。でも染ちゃんかわいいんだよ?宣伝したくない?」
Leey 「気持ちはめちゃくちゃわかるけど」
遥ちゃん 「じゃあ今日は私の家に行ってホストちゃん見ようか」
Leey 「待ってくれその前に聞きたいことがある」
遥ちゃん 「ホストちゃんに対しては否定しないんだね、優しいよこの子。で、なんでしょう」
Leey 「あなたの推しは?」
遥ちゃん 「染谷俊之。間違いない」
Leey 「もしも染谷くんが相手の女が原因のカノバレ騒動を起こしたらどうする?」
遥ちゃん 「…うーん、悲しいかな。結構長い期間染ちゃんのことは好きだし、そんな匂わせを起こすような女と付き合ってたのか、私の推しはそのレベルだったのかって悲しくなる。もっといい人がいたでしょうにって」
Leey 「なんか切なくて悲しい怒りだね」
遥ちゃん 「でも実際に大火事が起こらないとわかんない。大火事が起こったら怒りまくるかもしれないし」
Leey 「いざそうなってみないとわからない、ってやつだね」
遥ちゃん 「ちなみにキンキはどうなの?」
Leey 「アラフォーなんだからはよ結婚しろって思ってる」
遥ちゃん 「もはや潔い」
Leey 「あと、お互いがお互いの匂わせしまくってる気がするんだけど知らないって決め込んでる」
遥ちゃん 「例をお願いします」
Leey 「光ちゃんが好きなタイプはって聞かれて空気みたいな人って答えてて、のちに剛くんのことを空気みたいな人って例えてた。剛くんも好きなタイプはって聞かれたら自分とは真逆な人がいいっていってて光ちゃんのことを自分と真逆な人って言ってた気がします。気がします」
遥ちゃん 「それはすごいな。それ作り話じゃないよね?」
Leey 「実際にあったはずだけどもう何が何だかわからないよ。でもそんな時に思い出す言葉がある」
遥ちゃん 「何を思い出すの」
Leey 「問い質さないで壊れるから」
遥ちゃん 「何そのいい言葉。誰が言ったの?」
Leey 「堂本剛師匠」
遥ちゃん 「ねえLeeyちゃんのせいでキンキに落ちそうで怖いんだけど」
Leey 「いつでもウェルカム」
遥ちゃん 「決めた、絶対に落ちないよ」
Leey 「フリ?それフリ?落とすなよ落とすなよ、絶対に落とすなよ?」
遥ちゃん 「違うわ」
同担拒否
Leey 「で、遥ちゃんは廣瀬くんが好きなのね」
遥ちゃん 「うん。廣瀬くんが好き。二股かけてる気がする。でもどちらにも金を落として二人の生活にゆとりを与えたい」
Leey 「おう頑張れよ。で、どこで廣瀬くんに落ちたの?」
遥ちゃん 「薄ミュの沖田篇」
Leey 「もっと早く言ってよ。あれ三年前じゃない?」
遥ちゃん 「いや、四年前。早いねー、薄ミュ始まってもう五年だよ」
Leey 「へえ、そんなに経つんだ。で、廣瀬くんに落ちた理由は」
遥ちゃん 「かっこいい」
Leey 「シンプルかつ王道な理由だね。五文字で終わるよ。同担拒否っぽくなったのは?」
遥ちゃん 「極上文學のドグラマグラ」
Leey 「それ何年前?」
遥ちゃん 「三年前」
Leey 「だから早く言えよ」
遥ちゃん 「だってあの時、Leeyちゃんが堂本剛が可愛すぎるまじギルティって騒いでた時期じゃん。そんな時に言えるわけないじゃん」
Leey 「正論をどかんとぶつけられた。ああ、あの時ね…。なんかね、常に剛くんはかわいいんだけどあの時はなぜかものすごく騒いでたね」
遥ちゃん 「理由ないの」
Leey 「ない。理由なんてない。問い質さないで壊れるから」
遥ちゃん 「問い質さないで壊れるからを多用しないで」
Leey 「もう私の語彙力貧困化問題について話し合おうよ」
遥ちゃん 「言葉だけ聞いてるとすごい世界的な大問題に聞こえるけど、言い換えるとただのボキャ貧だよね」
Leey 「やめて」
遥ちゃん 「はーい。で、話す?」
Leey 「話してください」
遥ちゃん 「簡単にまとめると廣瀬くんへの同担拒否がやばくて自分でも困ってる」
Leey 「何が遥ちゃんをそこまで走らせたの。困るくらいって何が起きたの。廣瀬くんすごいね」
遥ちゃん 「ドグラマグラで理由はわからないけど落ちた。本当に同担拒否」
Leey 「同担拒否、ってさっきも言ってたけどリアコと同担拒否の違いってなんなの?」
遥ちゃん 「…さっきまで私もリアコと同担拒否がごっちゃになってたから人のことは言えないけど…。推しの彼女になりたいって思ってるか、思ってないかじゃない?」
Leey 「遥ちゃんは推しの彼女になりたくないんだよね」
遥ちゃん 「なりたくない。絶対になりたくない」
Leey 「理由は?」
遥ちゃん 「えっと…生理的嫌悪?」
Leey 「生理的嫌悪とは」
遥ちゃん 「なんかね、体が拒否するんだよ。一度考えて見たことがあるの。廣瀬くんと付き合いたいかって。答えは一瞬で出た。NOなんだよ。いまはその考えをした事自体が恥ずかしい」
Leey 「え、なぜ?」
遥ちゃん 「最初から雲の上の存在だって認識してたからだと思う。雲の上の存在と付き合うってことはさ、やばいよ。身の程知らずにもほどがあるよ」
Leey 「ああ…確かに舞台俳優さんたちって同じ空気を吸って吐いたりできるから普通の俳優さんたちより近い存在に思えちゃうよね。出待ちもできちゃうし」
遥ちゃん 「そうなんだよー、たぶん他の俳優さんやアイドルさんたちより境界線が曖昧なの。だから私の○○くんってなっちゃうの」
Leey 「染ちゃんは遥ちゃんにとってどんな存在なの?」
遥ちゃん 「推しだよ。それ以上もそれ以下もありえない」
Leey 「じゃあ廣瀬くんは?」
遥ちゃん 「えー、だから好きな人だよ。…うーん、染ちゃんと廣瀬くん、どっちもラブじゃなくてライクなのにね。なんで好きの種類が違うのー。廣瀬くんに対してはなんでこんなに同担拒否っちゃうの」
Leey 「廣瀬くんのことは推しじゃないんだね」
遥ちゃん 「推しだけど…また違うかな。自分でもよく分からない。なんでこんなに好きになっちゃったのか、同担拒否になっちゃったのか」
Leey 「そうかあ…」
遥ちゃん 「うん。答えが出たらまたファミレスでお茶しよう」
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と、いうわけで遥ちゃんの廣瀬くんと染ちゃんへの思いのたけを綴るレポでした。遥ちゃんにこれを見せてみたら彼女からは「おおかた合ってるねー」というお言葉をいただけました。それならいいや。
今回の話を書き起こしていて、推しに対する好きはいろんな感情があるんだなーとぼんやり思いました。例えば、私が堂本剛師匠に抱いている好きは一言でいえば尊敬なのかなと。それに気づけたことも収穫のひとつ。
今度は遥ちゃんとカラオケに行く予定です。二人で敦盛を歌ってきます。君だけだよおらん。
それでは。
派遣ではなく覇権なんだ
今日は本屋をぶらぶらと彷徨っていました。後半はなぜか赤本コーナーに立ち寄ったり、気づけばまるで意味のない行動を繰り返していた私がいました。これが…健忘…(違います)。
で、今日の戦利品。
辻村深月著、「ハケンアニメ!」
アニメ業界を舞台にしているだけあって、表紙のイラストもアニメっぽい。いいぞ辻村深月。 今はまだ読んでいる最中なので、そのうち読み終わったら1000文字くらいの感想を上げたいと思います。本を読むのは好きなのにボキャブラリーの貧困化が凄まじい。小説を読むのと書くのはまた別次元の話だとどこかで聞いた事があるんですが昔すぎて忘れました。言ったのは誰なんでしょう。
ただとにかく面白そうな話なので今週中にはアップしたいなあ…、とか思う。
ところで話は変わりますが雑誌コーナーを見ているとふいに見つけた。目と目が合う瞬間彼だと気づいた。
【RTしてね♡】
— ジュノン編集部(プラチナ☆JUNON) (@JUNON_jp) 2017年6月19日
6月23日発売のJUNON8月号の表紙を最速公開です♡ 今月は空前絶後のぉー!!!「色気」特集です! JUNON8月号発売まであと4日。お楽しみに♪
オフショ満載のJUNON公式Instagramも要チェック☆https://t.co/81JI3qbCn3 pic.twitter.com/C8qryZu9KY
植田圭輔くん!空前絶後の色気!
— ジュノン編集部(プラチナ☆JUNON) (@JUNON_jp) 2017年6月23日
の撮影オフショット。
本日6/23発売のJUNON8月号、ぜひチェックを!
色気あふれすぎで、よろめきます…!!!!! pic.twitter.com/9UCNw8QxPi
茶の間的推しの植田圭輔くんがいた。積まれていた。気がついたら手にとっていた自分がいた。今日もチケット戦争に参加する事もなく「がんばれ」と町の隅からリプも飛ばさず心の中で応援しています。なんの効果もない。でも頑張れ、おばさん応援してる(クソ茶の間)。
そういえばKinKiのライビュに応募したんですが当たる気配は微塵もありません。そんなところで私の運は作用してくれないと思う。でも当たったら全力で盛り上がりたい。
砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない___感想
(少々ネタバレがあります)
読もう読もうと思ってなかなか読めずにいた本をようやく読めた。
桜庭一樹著、「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは序々に親しくなっていく。だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日–––––––
直木賞作家がおくる、切実な痛みに満ちた青春文学。
(角川文庫版あらすじ)
というあらすじなのだが、タイトルの砂糖菓子の弾丸、とはヒロインの一人である海野藻屑(すごい名前である)が撃ちまくっているもの。あらすじ通り、家の事情からお金という実弾がほしくてほしくてたまらない主人公のなぎさには苛だたしい弾丸だ。体内で溶けてしまう、現実には通用しない甘ったるい弾丸。
その弾丸を作中で撃ちまくる藻屑は孤独だった。
かえってくることのない親からの愛情がくることに縋り暴力を愛情と思いそれに依存している藻屑。漁師だった父を海で喪い、引きこもりの兄がいる自分の家庭がなんて不幸なんだと自分を慰めながら実弾を求めているなぎさ。
二人とも、不幸に依存している。それに依存することで何とか生きている。そして、藻屑はついに殺されてしまった。
だが、藻屑が死んでしまい、それをなぎさが見つけるということは物語の始まりで提示されている。だからこそこの物語は狂おしいほどまでに切なく残酷なのだ。
最初から海野藻屑という嘘つきで残酷な転校生が死んでしまうと分かっていながら惹かれた。死ななければいい、父親に殺されなければいい。でも、どう足掻いたところで藻屑がバラバラ死体となって死んでしまうことも変わらないしそれを藻屑のたった一人の友人であるなぎさが見つけてしまう運命は変わらない。絶対に変わらない。最期のとき、藻屑は“瞳を見開いて、怯えているようなあきらめているような悲しい表情のままで時が止まっていた”。
自分のことを痛めつけ、虐待する父親をそれでも「大好き」と言う藻屑はたぶん気づいていた。ほしくてたまらない愛情がかえってこないことを。だから、「好きって絶望だよね」と口にした。
歪んだ愛情の証である痣だらけになった少女は死んでしまった。愛していた親に殺されても、藻屑はきっと可哀想ではなかった。きっと、そんな単純な言葉じゃない。
短めのお話なので、残酷な青春を読みたい方はぜひ読んでほしい。この桜庭一樹の青春は、少女漫画のような甘ったるい砂糖菓子ではない。